極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
(……あの、マール様。ひとついいですか。そもそも……魔女帝は予定ではまだこの国に滞在中だったはず。それがなぜ、こんなことに……?)

 私はアルベール様ほど今回の出来事について詳しくないから、そこのところあまりよく聞けていないのだ。確か、彼女たちの訪問日程は後数週間ほど残っていたはず。大国の指導者の不在時にそんなことが起こってしまうなんて、それはもう……。
 
 会議の侵攻を妨げまいと、小声で隣に座る知の乙女に尋ねかけた。すると――。

「……私の不明だ。お前からメナ生存の報告を受けた際に、頭の隅にこの可能性を考えておくべきだったのかもしれん」
「……え?」

 隣で小さくそんな風に呟いたマール様。言葉の意味が分からず目を見張っていると――。

「ではまず、この出来事の発端となったあの報告から確認しよう。書記官、頼む」
「ハッ」

 国王様の号令と共に一枚の書類の写しがこちらに回されて来た。同じ内容を、書記官の男性が復唱していく。
 その重要部分を抜粋してみると、以下のような内容になるだろうか。
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