極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 馬車で聖都に帰り着く際にも、アルベール様はしきりに連絡用のイヤリングで向こうとやり取りし、指示を送っていた様子だ。そのことに関しては、法具の聖力を補充できる私が乗り合わせていてよかったといえる。

 しかし問題は……国家規模の大戦争が、今まさに始まらんとしているということだだろう。
 この大陸の二大国家、聖王国と魔帝国の争い。その勝敗を分かつのは、通常の兵士同士の争いではなく、国家の主力を担う聖女と魔女たち。つまり奇跡と魔法が飛び交うなんでもありの戦場が、この大陸のど真ん中で開かれるなんて。

 おそらくそこに聖女や魔女がほとんど所属しない他国軍の介入は望めない。つまり、聖王国は、ほぼ独力でこの窮地を脱しなければならないということになる。

 私はといえば……もちろん戦争なんてものに従事した経験もないし、その話を黙って聞いていることしかできなかった。国王様の目線が、この場での聖女側の責任者であるマール様の方へと向く。

「どうジャマール。お主らの力で魔帝国を押し止められると思うか」
「……できるかどうかではなく、せねばなりません。やつらの侵略を阻止できねば……王国民の多くが魔帝国の攻撃に晒される。それを防ぐことこそ、私たち聖女の本懐です」
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