極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 追走はどのくらい続いたのか――やがてメナは、激しい急流に面した崖の前で止まる。

 そして無言で兄の亡骸を地面に横たえると、私と向かい合った。

 言わずとも知れた。彼女の胸には、兄を失った悲しみと世界への憎しみが――そして、私の胸には愛する人を目の前で奪われた彼女への憎しみが……互いに煮え滾っているのが。
 それはもう、ぶつけ合う以外にどうしようもないもの。

 それから――。
 私とメナは昼と夜が三度繰り返されるまで――力が尽きるまで戦い続けた。

 やがて、幕は落ち……。
 
『ルイーゼ姉さん。いや、ルイーゼ。兄さんだけは、あなたにも渡さない』

 メナは息を荒げながらそう言うと……紫の本を、側で凍らせていたロバートの遺体へと直接当てる。するとそれは光の粒となって薄れ、少しずつ本の中に吸い込まれてゆく。
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