極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 にこやかなその表情は、私の話を聞かない気まんまんと言った感じで。
 どうやら、いくら頑張っても説得は通じなさそう。

「はぁ~、どうなっても知らないですから」
「じゃ、決定だね」

 彼は重たい溜め息を吐き出した私に、相好を崩した。
 まあ、彼ならば同行者としては申し分ない。幾度となく危ないところを助けてもらったし……正直、誰かひとり付いて来てくれる人を選べるとしたら、彼を選ぶ。私にとって誰よりも信頼できる、そんな人だから。

「ありがとうございます。正直、心強いです」
「うん。必ず帰って来よう、ルイーゼ様を助けて三人で。僕たちにできる精一杯の力で、奇跡を起こすんだ」

 私たちは握手すると頷き合い、東を目指して発つ。

 奇跡は……ただ待つだけのものじゃない。
 きっとそれぞれが尽くせるだけの力を尽くして、やっとチャンスが訪れるもの。
 手繰り寄せよう……私たちにとって最高の結末を……!
< 492 / 840 >

この作品をシェア

pagetop