極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
その申し出は、身ひとつで聖都に放り出された私にとって何よりも心強い。紙片をぎゅっと抱き締め安堵すると、彼は励ますようにぽんとこちらの肩を叩く。
「君には期待してる。なんせ、力があることも知らぬまま身内のため魔物に立ち向かうなんて、相当な勇気の持ち主だ。きっとこの先立派な聖女になれるよ。もしかすると、新たな金盞花(カレンデュラ)の乙女になるのは君なのかもね」
(……カレン……なに?)
それじゃ――と爽やかな笑みを残し……アルベール様は馬車に乗り込むと、手を振って去ってゆく。
耳慣れない言葉に私は上げた首を傾けたが、忘れないうちに頂いた紙片を鞄にしまい込もうとして、しばし目を留めた。
「なになに……『シスター・ラミニから託かった君の姓の綴りを、ここに記しておく』……? それって、この身体の持ち主の⁉」
アンテノア――どうやら、それが私の新しい姓となる様子。
あの孤児院では必要なかったから気にもしなかったけど、もしかしたらこの身体の生まれを知る手掛かりになるかも。私はぐっと拳を握りアルベール様に再び感謝する。
旅の道中も、やや女性的な彼の柔らかい物腰のおかげか、変に気を払わずに過ごせた。
「君には期待してる。なんせ、力があることも知らぬまま身内のため魔物に立ち向かうなんて、相当な勇気の持ち主だ。きっとこの先立派な聖女になれるよ。もしかすると、新たな金盞花(カレンデュラ)の乙女になるのは君なのかもね」
(……カレン……なに?)
それじゃ――と爽やかな笑みを残し……アルベール様は馬車に乗り込むと、手を振って去ってゆく。
耳慣れない言葉に私は上げた首を傾けたが、忘れないうちに頂いた紙片を鞄にしまい込もうとして、しばし目を留めた。
「なになに……『シスター・ラミニから託かった君の姓の綴りを、ここに記しておく』……? それって、この身体の持ち主の⁉」
アンテノア――どうやら、それが私の新しい姓となる様子。
あの孤児院では必要なかったから気にもしなかったけど、もしかしたらこの身体の生まれを知る手掛かりになるかも。私はぐっと拳を握りアルベール様に再び感謝する。
旅の道中も、やや女性的な彼の柔らかい物腰のおかげか、変に気を払わずに過ごせた。