極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
『ラエル、僕はこれからひとりでヴィーナを別方向へ誘導した後、その動向を見張っておくよ。彼女自身の存在も脅威だし、何か向こう側の動向に変化があれば、周りの様子から察知することもできるかもしれない』
『そんな……危険ですよ!』

 いくらなんでも、単独行動なんて――。
 当然それに異を唱えた私だったけど、アルベール様の決意は固かった。そして彼と既知のラエルさんも、引き止めることはせず……。

『……そうだな。メナが起こした帝国反乱軍に対抗する軍勢を揃えるには、まだしばらく時間がかかる。その間……あの裏切り者の注意を惹き付けてくれる者がいれば、帝都奪還の成功率も上がるだろう。だが……いいのか?』

 友を思い遣る響きの言葉を受けながら、アルベール様は自信を持って頷いた。

『任せてくれ。今回の作戦の成功は、聖王国を守ることにも繋がる。大国同士で争いが起きれば、どれだけの人たちの命が奪われるかわからない。僕ひとりの危険で、わずかでもその可能性を抑えられるなら、尻込みなんてしてられない』
『で、でも……!』

 そんなことをして、彼までメナたちの手に落ちてしまったら――!
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