極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う


 ホルドキア領で過ごした最初の一日の翌朝。
 朝食の後で、ラエルさんはまずひとつの部屋に私を案内してくれた。

「ここは……女性の部屋?」

 白の壁紙、薄紫のカーテンや家具の上に飾られた可愛らしい小物や花。趣味はいいけれど、余りにも女性的な雰囲気で溢れすぎて、彼の部屋だと言われたら腰を抜かすところだ。

 ただ……一目でわかった。この部屋は――ずっと時が止まっている。

「ここは――そのままにしてある。俺の大切な家族が暮らしていた当時のな」

 魔女帝は、何も言わずに後ろから私たちを見つめている。その視線は、ほんの微かに痛みのようなものを伴っていた。
 ラエルさんが、そこにあったテーブルをそっと撫でた後、奥の壁に向かって歩いていく。そして――。

「ここで暮らしていたんだ……」
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