極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
そして……ついにその刃が屋敷で彼女に尽くしてくれた乳母にまで及んだ時。彼女は決断したんだそうだ。娘が亡くなったことにして、この国の人間の手が届かない国外へと逃がすことを――。
だが、下手な国へと逃亡させたところで、強大な魔法の力に対抗できず、何者かに連れ戻されるのが落ち。魔女の暗躍に対抗できる力を持つ人間たちなど……そうはいない。娘を託せるのは、魔女たちに匹敵する力――奇跡を操る聖女たちの国、聖王国のみ。
以前は敵国としていがみ合っていたあちらに娘をやるのは、お母さんたちも抵抗があっただろう。
でもそれを迷う時間も存在せず、すでにあちこちの領地から強力な魔女たちが迫っているという報を受けていた。そこでお母さんは、お父さんにシーリの身を託し、自らは娘の身代わりと共に領地で魔女たちを迎え撃った。いつの日かまた娘がこの国に戻ってこれるよう……自らの誇りである魔女の証。ダスクムーンのペンダントを半分に割り、片方をお父さんに渡して――。
「名だたる魔女がホルドキア領に向かった時も、余は愚かにもやつらと結託していた戦争推進派の対応に忙殺され、戻るのが遅れた。そんな中、妹はフレドと協力してそなたを国外へと逃がし、ホルドキアに敵対する魔女、延べ三十余名を葬ったと聞く。全てのことが終わり、故郷に帰りついた余にできたのは……。変わり果てた妹の亡骸を弔うことと、そこに泣き縋るラエルを帝都に連れ、自身の庇護下に置いてやることだけであった……」
だが、下手な国へと逃亡させたところで、強大な魔法の力に対抗できず、何者かに連れ戻されるのが落ち。魔女の暗躍に対抗できる力を持つ人間たちなど……そうはいない。娘を託せるのは、魔女たちに匹敵する力――奇跡を操る聖女たちの国、聖王国のみ。
以前は敵国としていがみ合っていたあちらに娘をやるのは、お母さんたちも抵抗があっただろう。
でもそれを迷う時間も存在せず、すでにあちこちの領地から強力な魔女たちが迫っているという報を受けていた。そこでお母さんは、お父さんにシーリの身を託し、自らは娘の身代わりと共に領地で魔女たちを迎え撃った。いつの日かまた娘がこの国に戻ってこれるよう……自らの誇りである魔女の証。ダスクムーンのペンダントを半分に割り、片方をお父さんに渡して――。
「名だたる魔女がホルドキア領に向かった時も、余は愚かにもやつらと結託していた戦争推進派の対応に忙殺され、戻るのが遅れた。そんな中、妹はフレドと協力してそなたを国外へと逃がし、ホルドキアに敵対する魔女、延べ三十余名を葬ったと聞く。全てのことが終わり、故郷に帰りついた余にできたのは……。変わり果てた妹の亡骸を弔うことと、そこに泣き縋るラエルを帝都に連れ、自身の庇護下に置いてやることだけであった……」