極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 一歩目は踏み出した。ならば後は、その時が来るまで出来る限りのことを……。


 そうして訓練は続き、付け焼刃に城私はある程度魔法を使えるようになったつもりだ。それは今回の戦いで大きな力となってくれるはず。

「火の奇跡の使い手であるヴィーナなら、紙を扱う私など簡単に倒せると油断することでしょう。そこを突けば、最小限の被害で倒せるかもしれません。あの様子から見て、前回の雪辱のことで頭が一杯みたいですし」
「ふむ……頭に血の昇った猿に軍を任すとは嘆かわしいこと。だが、そなたにやつを任せられれば我々も動きやすくはなる……」

 それでもやや不満げな魔女帝だったが、そこでアルベール様も説得に加わってくれた。

「シーリなら大丈夫です。彼女はこれまでも、多くの困難を自分の力と工夫で潜り抜けてきました。その勝利のイメージと、苦境を跳ね除ける力は信頼できる。ご心配なら、僕にお任せを……シーリの活躍を見届け、責任を持って帝都の内側まで送り届けます」
「ふむ……聖騎士団長殿がそこまで言うならば異存はない。ではラエル、我らは別動隊で突破口を開き、後に続きやすいよう平らに道をならしておくとしよう」
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