極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う


 火というのは、通常では物質の燃焼反応を差す言葉だ。
 だけれど……奇跡で生み出す火はわざわざ何かに点火させ、燃やしているわけではない。聖力を媒体として生み出した、完全なるイメージの産物……ゆえに簡単には消えない。

「炭になっちまいな! 白髪娘!」
(……なんて早さ!)

 怒りのままに突っ込んできたヴィーナの攻撃を、私は汗を滲ませなんとか交わした。聖騎士じみた聖力の使い方になれている彼女と、最近聖女になったばかりの私では、身のこなしに雲泥の差がある。

 そして、攻撃に掠ることも許されないこの状況は脅威。ヴィーナの火は薪や油などを燃やしたものよりもずっと勢いが強く、地面に転がったくらいでは消せそうにない。

 二度目の攻撃までは、運よく躱せた。でも、このまま逃げていてもいつかは捕まる。

「威勢がいい割には芸がないねぇ。ヒヒヒ、ここでアンタの勝ち筋をひとつ潰しておいてやろうか。アタシに時間稼ぎは通用しない。この状態で一日だって戦ってられるからね」
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