極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 私は古ぼけた懐中時計を取り出し……。
 荒野がしんと静まり返る中、静かに目の前の闇の魔法を維持したまま、秒数を計る。

「……これくらいかな、解除」

 懐中時計の跳ね上げ蓋をパチンと閉じ、いいところで魔力の供給を止めると……そこには。

「う……ぁ……。誰か……ぁ……」

 見る影もない状態で蹲ったヴィーナの姿が。

「誰か……ここから、出してぇ。アタシは……アタシは、誰……?」

 完全にこちらなど眼中になく、精神を失調している。

 私が普通に近づいていっても、ぶつぶつとうわごとをこぼすだけで顔を上げる様子はない。
 ……これでも少し長かったか。
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