極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「どういたしまして」

 運ぶよ――そう言ってアルベール様は背中を見せ、私は今回は遠慮なく彼に身体を預ける。まだ戦いは始まったばかり……。聖王国の騎士団長様を運び屋に使うのは気が引けたが、休める時は全力で休むべき。

 相手方が逃げ腰になったのを見越し、すでにラエル兄さんは手を打っていた。正規軍が退却する反乱軍を追撃していく。その後ろに続きながら、私はアルベール様の背中でひとたび微睡む。

 あっけなくヴィーナとの決着をつけたこの力は……やはりおいそれと扱い切れるものじゃない。

 けれど……今は怯まずに向かおう。メナとルイーゼ様の待つあの月映宮へ――。
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