極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う

49・希望はいつもそこに①

 頭上の遥か遠く……大空が、ほんの微かだが確かに翳った。

「見てごらん」

 メナの指差す方向を見て、私は息を呑む。そこでは――。

「黒い、月……」

 真昼なのに……なぜか光を吸い込む真っ黒で巨大な月が、姿を現している……!
 それをじっくりと注視する内に、私はあることに気付いた。

「世界が……砕けて?」

 月の周囲……空の表面に、まるで魔物が出てきた時のような亀裂が生じていた。
 それは全方位に一押しずつ、徐々に拡大してゆく。まるで、強い荷重で押し潰さるガラスのように。

「世界を一度救った君ならば……その外殻が球状であることくらいは知っているだろ? その殻の内側には実はもう一枚、偽物の空を映す膜のようなものが存在していてね……」
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