極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「……虚しいものだ。私は別に君たちを虐めたいわけじゃなかったしね。でも、そんなのは勝者の都合のいい同情に過ぎない。せめて、そこでうずくまって見ているといい。そろそろ封印も解ける頃合いだ」

 勝負はついたとばかりに、メナは虚無の在処を亜空間からここへ呼び戻す。桂冠の投入口にできていた氷塊がばきばきと崩れ、剥がれ落ちてゆく。

 そうして――メナはそっとそれに手を触れ、愛しそうに呟いた。

「さあ……世界を変えておくれ」
「ダ、ダメ……」

 悔し涙が滲み、頬からこぼれ落ち――。
 呻く私の腕の先で……球体の中の闇が蠢くと。

 ――どくん。

 大きく、世界が脈打った気がした。
< 702 / 840 >

この作品をシェア

pagetop