極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 彼女には、目の前の目標しかもう見えていない。
 今ここに生きる人々は……元の世界の崩壊に伴い、ルシエさんが生き残らせるためにこちら側に誘った人たち――ひいてはその子孫。作りものではないのだ。
 
 そんな彼らを、泥人形のように一旦溶かして作り直すなんてことが、やすやすと成功するとは思えない。 
 現代科学ですら、記憶や魂をメディアに保存できるわけじゃなかった。
 そんな中、仕組みが分からないあやふやなものに彼女は手をかけ、ひとりで操ろうとしている。そんなの、どこかで絶対に失敗する。
 
「やめてメナ……私にはそれがうまくいくとは思えないの。それは本来は、もしこの大地に何かあった時、人々をどこかにまとめて聖女たちが守った上で、その間に世界を作り直させるようなものだったんじゃないかしら……? 再構成に、元々この世界の構築から外れていた人間が含められたら、失敗(エラー)が起きたっておかしくない。どうか……考え直して」

 私は懇願する。だが、メナは頑なに掛けた言葉を跳ね除ける。

「その様子だと、原初の聖女に直接聞いたというわけでもないんだろう? どの道、他に方法がないのなら――そうするしかない。たとえ戻ってきた兄さんが、ただの代替品で、何も覚えていなかったとしても……それでもいい。彼が居てくれないと私はもう、自分の侵した罪に耐えられないんだ」
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