極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 アルベール様は綺麗なおとがいを空に向け、険しい顔で頷く。
 メナは、彼らの出現にまったく気を止めず、ずっと低い声で笑い続けている。
 だけれど――。

「本当にもう打つ手はないのかな?」
「えっ……?」

 アルベール様の言葉に、私は目を見開く。メナの笑いが……止まった。

「君が母上を助けてくれた時……。世界書の時だって、僕らはほとんど絶望しきっていた。でも、あの時君は諦めずに、世界を救ってみせたじゃないか! なら、今回のことだってきっとどうにかできる。時間はまだあるんだろ?」

 彼は力強く私の肩を支え、立ち上がらせた。

「負けたって、もう一度立ち上がればいい。メナが今の世界を壊す装置を起動させたなら、今度はそれを止める方法を見つけ出そうよ。僕も、ラエルも、聖王国や魔帝国の皆もきっと最後の時まで足掻き続ける。だからもう少しだけ、一緒に戦ってくれないか、シーリ」
「まだ、邪魔をしようというのか……」
< 708 / 840 >

この作品をシェア

pagetop