極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 メナの含み笑いが物悲しく響いている。
 終わった……いや、これから始まるのか。メナが統べる、あらゆるものが作りものとして置き換わった、寒い世界が。

「シーリ、待たせてごめん」

 そこで、私の背中に優しく手が添えられた。温かい体温が、ほんのりと心臓に届く。

「アルベール様……」
「よかった、無事で。途中で階段に水があふれるわ、崩れるわで大変だったよ。なんとか外壁を伝って上がってたら、途中でルイーゼ様が降ってくるしね。ほら」

 彼が親指で後ろを刺すと、そこでは仏頂面のラエル兄さん、彼女を横抱きに抱えていた。
 その姿を見てぽろぽろと涙をこぼし、私は彼に謝る。

「ごめんなさい……私の力じゃ、メナを止めることはできなかった。彼女は虚無の在処を起動してしまいました。もうすぐ、この世界はすべて溶かされ、作り直されてしまうんです」
「この空は……そういうことか」
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