極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「いいの?」
「ああ……あの記憶はもう、私の心の中にあるから」

 メナはこくりと頷く。手の中に置かれたのは、ロバートさんとの記憶が宿ったサンホワイトのブローチ。彼女がそう言えたのなら、躊躇うことは何もない。
 
 私はすうと息を吸い込むと……周りに浮かぶ、大勢の魔女たちを見渡す。
 かつて、聖王国から排斥され、逃げるようにこの地にやってきた者たちの子孫……魔女たち。きっと私たちに思うところのある人もたくさんいるはずだ。でも今だけは……。

「今は、聖女だの魔女だの考えないで……。ここに生きるそれぞれの命として、それぞれの大事なものを守るために――やりましょう!」

 答えは声ではなく、視線、頷き、意志……そういったもので私のもとに彼女たちの想いが一気に届く。それは私にかなりの重圧を与えたけれど、同時に心地よく背中を押してくれる。

「行きます!」
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