極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「なんの自慢にもなってませんっ!」
「ま、そのおかげで……聖女として奇跡で皆の役に立つことはほとんどできなくなったけどね。このような偉大な称号には、そぐわないくらいにさ」

 いつものへらへら顔でピンとサンホワイトのブローチを弾き、室長は話を続ける。

 本当は……私は現状で聖女病の研究がどれだけ進んでいるかなんて知らないし、耳に入れたくもなかった。未だ、母の死を乗り越えられていないから。
 でも……こうして身近に同じ病で今苦しんでいる人が現れたことは、何かしらの意味があるような気がして。何より、いつまでもこんないじけた自分のままでいたくなくて、耳を傾ける。

 水汲み場に、大聖堂の陰がだんだんと被さってくる中……。
 年齢の割に小さな体格から伸びる足を揺らしたペーレ室長の口から、ゆっくりと語られてゆく。
 彼女がどうして、この研究の世界にのめり込むようになったのか、その経緯が――。
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