極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 法研で酷使する身体が、次第に重たく感じ始め……。
 外出を控えるようになっていった室長のもとをある日訪れたのは……なんとあの聖女会の最高位、金盞花の心の乙女で――。

 当時から若き指導者として聖女会を率いていたルイーゼ様は、どうして自分のような者のもとにと訝しがった彼女に、医師の身の回りに起きた一部始終を明かしてくれたそうだ。

「医師と妹の死の真相が、私に衝撃を与える中……彼女は、まだ未熟な私に頼み込んだ。自分と共に、もう二度とこんなことが起こらないよう……医師の研究を受け継いで欲しい。あの病の克服に熱意をもって当たれるのは……身近であの人の影響を受けたあなたのような人しかいないはずだからと。まったく……当時は私もひねていて、階級なんて構うもんかと彼女を滅茶苦茶に詰ったりもしてしまったさ。でも……中々諦めてくれなくてね」

 しつこい勧誘にしばらく悩んだのち、室長は自らルイーゼ様のもとを訪れ、協力を申し出たのだそうだ。そうして……新たに開示された情報に、彼女は慄然とした。

「詳しいことは教えられないが……その時ルイーゼ様にはひとつの目論見があったんだ。なんでも、先生の妹さんは死の前に聖女病を克服していたらしく。その鍵は……ここからは遠く離れた異国――魔帝国と魔女たちにあるのだとそう言った」
「……あ、あの恐ろし気な人たちの国に?」
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