極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
ルシエさんの協力者とは、いったいどのような方だったのか。知りたくはあるが、聖王国の歴史にも残されていないということは……隠すべき理由、または人目に触れさせたくない想いがあったのだとも思える。今は話を続けよう。
「その方が作りあげた虚無の中に走る道を通じて、私たちの遠いご先祖様はあちらの世界を離れることができたのだとか。そして道は今もうっすらと残り……次元の穴――虚無で満たされた海へ至る扉さえ開けることができれば、私たちはそこを辿り、この世界ごと向こう側へと移動することができるはず……とのことです」
「おお!」「やったな!」
わっと皆が歓声を上げ、喜び合う中……それまで沈黙したまま頭を働かせていたひとりの人が、挙手の上発言する。
「ひとついいかな。今の話だと――僕らが世界だと認識する、この巨大な空間の外には、広大な虚無の海が広がっていて……。いわばこの世界も、元の世界も水の中に浮かぶ気泡みたいなものだって言うんだろう? だとしたら、次元の穴を開けるっていうのは、この世界と道の間にある虚無を無理やりどかして繋げてしまう……ってことにならないか? そんなことをやるには、いったいどれほどの力が――」
さすがアルベール様。前回の事件を一緒に乗り切ったこともあってか……ルシエさんから直接詳細な情報を伝えられなくとも、私の大雑把な説明だけでほとんどのことを理解してしまった。
「その方が作りあげた虚無の中に走る道を通じて、私たちの遠いご先祖様はあちらの世界を離れることができたのだとか。そして道は今もうっすらと残り……次元の穴――虚無で満たされた海へ至る扉さえ開けることができれば、私たちはそこを辿り、この世界ごと向こう側へと移動することができるはず……とのことです」
「おお!」「やったな!」
わっと皆が歓声を上げ、喜び合う中……それまで沈黙したまま頭を働かせていたひとりの人が、挙手の上発言する。
「ひとついいかな。今の話だと――僕らが世界だと認識する、この巨大な空間の外には、広大な虚無の海が広がっていて……。いわばこの世界も、元の世界も水の中に浮かぶ気泡みたいなものだって言うんだろう? だとしたら、次元の穴を開けるっていうのは、この世界と道の間にある虚無を無理やりどかして繋げてしまう……ってことにならないか? そんなことをやるには、いったいどれほどの力が――」
さすがアルベール様。前回の事件を一緒に乗り切ったこともあってか……ルシエさんから直接詳細な情報を伝えられなくとも、私の大雑把な説明だけでほとんどのことを理解してしまった。