極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
 瞬時に私の両手に前回以上の負荷がかかるが、強引に抗う。
 お願い開いて……開け! 早く、もっと早く!
 そんな私の両側から……頼もしい力が加わる。
 
「目の前に立ちはだかる世界への扉を開く……。僕らにおあつらえ向きのいい仕事だ。なあ、デュリス!」
「ああ……兄上。母上から頂いたオレたちの力は、今、この時のために!」

 聖王国に延々と受け継がれた特別な王家の血筋……それにより、ティリシャ様から引き継いだ兄弟の奇跡の力が、私の聖魔力と完全に合わさり――。

 ――閉じられた世界への扉を今一度、解き放つ!

(――抜けた⁉)
 
 腕にかかる負荷が、ふっと軽くなる。月映宮から立ち昇っていた光が徐々に細くなり、後ろでガシャンとなにかが砕ける音がした。ベセルが強大な力の負荷に耐えきれなかったのか。でも――なんとか。
< 819 / 840 >

この作品をシェア

pagetop