極貧孤児に転生したので、親を探して文句を言おうと思う
「……そうです。それがあなたの願い」

 ――ふいに、目の前がほわっと明るくなるいつかの感覚が。
 背中に温かな手が置かれ、ゆっくりと目を開くとそこに見えたのは。

 あの時と同じ指先ほどの小さな紙片……。
 再会を喜ぶようにくるくると手の内で回っている。

「自らの心は、決して自分を裏切らない。いわば聖女の奇跡とは、己の希望の結晶でもあるのです。いついかなる時もそれを手放さぬよう、精進するのですよ」
「……はい!」

 こちらを覗き込むミシェル班長は聖母のように穏やかな笑みを浮かべており、頷き返すと私はじわり目に浮かんだ涙を拭う。

 両親や家族に愛されたかった。

 今さら、それを認めるには抵抗がある。
 けれど……この身体の持ち主、本当のシーリの親を探さなければと思ったのも、きっと彼女を己に重ねたからだ。それが私の本当の親じゃなくとも……もしそれが出来たなら、小さかった頃の自分の願いも遂げられる、そんな気がしたんだと思う。
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