男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。
「え、あの生徒会と寮一緒なの?」
「やば、勝ち組じゃん」
「てか顔、近くで見たら綺麗すぎだろ」
私は何も聞こえないふりをして、机の上のノートを閉じた。
……嫌だ。
目立ちたくない。
ただ、静かに過ごしたいだけなのに。
胸の奥がざわざわして、息が浅くなる。
袖を握りしめた。
そして、少しでも落ち着こうと、窓の外を見た。
空は相変わらず青い。
雲はゆっくり流れている。
ーーそれだけが、救いだった。