家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています

再び・明けの朝のプロポーズ

「昨夜、会えたのも運命だ。明莉、俺と結婚してほしい」

 ひざまずいて、手を取られて言われたプロポーズ。

 本当なら嬉しいはずの言葉だが、ワンナイトをした翌朝に言われるものではないだろう。

 明莉は目を見開いたまま、固まった。

 しかし彼は明莉の手をそっと握ったまま、こちらを見つめている。

 明莉が少々たじろいでしまうほど、真っ直ぐな視線だ。

「……えっと、冗談ですよね?」

 息を何度か吸い、なんとか少しだけ気持ちを落ち着かせた。

 そして無難なことを聞き返す。

 だが彼は眉を寄せた。

「そんなわけないだろう。俺は本気だ」

 やや不満げな様子で言われる。

 そんな態度を取られても、明莉はますます混乱するだけなのに。

 沈黙が落ちた。

 明莉は気まずくなってしまう。

 まさかどこの誰とも知れない相手からのプロポーズに、即答できるわけがない。

 彼のほうはなぜか明莉の名前を呼んだけれど……。
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