家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています
「仲良し家族で素敵ねぇ。でも写真も綺麗に撮りたいものね」

 父の隣に立って見守るフォーマルワンピース姿の母も、くすくすと笑った。

 明莉と巳影が照れてしまったのは、言うまでもない。

「はい、撮るぞ!」

 巳影のポーズも綺麗になり、父が何度かシャッターを切った。

 明莉の頬には、自然と微笑が浮かんでいた。

 きっと巳影もそうだろう。

 莉奈が自分たちの元に生まれてきてくれてから、一ヵ月。

 素晴らしいお祝いの日だから、笑顔で写りたい。

「いいぞ! 最後ににっこり笑って!」

 父もだいぶ乗り気のようだ。

 何枚も撮ったあと、最後にそう言ってきたくらいだ。

 そんな様子がちょっと可笑しかったのも手伝って、明莉はついつい、笑みを濃くしてしまった。

「さて……上手く撮れたかな」

 撮り終えた父は、満足げな声になる。

 スマホを持ち直し、いくつか操作した。

 フォトフォルダを開いたようだ。

 母も隣から覗き込み、見ようとしている。
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