家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています
「そうでしょう。特別かわいいのを選んだので」

 隣からその様子を見下ろしながら、巳影が堂々と言った。

 あまりにも自信満々だったので、明莉はつい、くすっと笑ってしまう。

 もちろん辰巳たちもくすくすと笑った。

「本当ね。巳影のパパっぷりも素敵よ」

 祖母が褒めてくれてから、巳影はやっと自覚したようだ。

 気まずげに笑った。

 でもその表情すらも、嬉しく感じているときのものだと明莉にはよく理解できた。

「おーい! よく撮れてたぞ! 特に最後の……」

 そこへ明莉の父が声をかけた。

 みんなが振り向くと、父は満面の笑みで片手を上げている。

 逆の手に持ったスマホをこちらに向けた。
< 249 / 255 >

この作品をシェア

pagetop