家も仕事も失いましたが、一夜の恋で授かったお腹の子ごと若手社長に溺愛されています
 ご祈祷は滞りなく進んで、終わった。

「莉奈もこの先、元気に成長できるよな」

 本殿から出る前、巳影が心から嬉しそうに言った。

「うん。きっと神様も見守ってくれるよね」

 自分でも腕の中の莉奈を優しい目で見つめる明莉も、同じ声音で同意する。

 改めておくるみに包まった莉奈は、ご祈祷が終わる頃、目を覚ましていた。

 あう、あう、と時々小さな声を出している。

「この後は食事会だな。店で合流しよう」

 辰巳がその様子に目元を緩めながら、この次の予定を口にした。

「はい。それぞれ車ですからね」

 巳影も頷く。

 巳影と明莉、莉奈の一家。

 辰巳たち。

 明莉の両親。

 それぞれ別の車で来ていたのだ。

 会食をするお店で待ち合わせることにしていた。
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