皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
その後、心配してくれていたメアリたちに目が覚めたことを報告したところ、涙まじりの安堵と説教をされた。

メアリや皆に心配をかけた件を詫びた後、急いで用意された野菜の温かなスープが室内に運ばれてきた。

すると変わらず私の傍に座っているアレン様が皿とスプーンを手に取った。


「キラナ、口を開けて」


「じ、自分で食べられます」


「いいから。まだ目覚めたばかりだし、顔色も悪い。体にあまり力が入らないだろう」


的確な指摘に押し黙る。

体は重く、指先の感覚も少々鈍い。

鋭い洞察力に驚くと同時に胸の奥がくすぐったくなった。


「ありがとう、ございます」


まさかの状況にこみ上げる恥ずかしさと申し訳なさを抱え、ぎこちなく礼を伝える。

気の利く侍女たちは優しい笑みを浮かべて、そっと部屋を出て行った。

彼は私を急かしもせず、私が口に含む様子を注視しながら、ゆっくりスプーンを差し出してくれた。

半分近くを口にしたところでお腹がいっぱいになり、断れば心配そうに見つめ、唇を清潔な布で拭ってくれた。

背中に幾つかの枕とクッションを置いて楽な体勢になるよう配慮して、食器類を下げるため部屋を出て行く。

公爵令息に甲斐甲斐しく手厚い看護をしてもらい、居たたまれない。

そして手際が良く手慣れた動作の数々に驚く。

優秀な魔術騎士団長には不得手なものがないのだろうか。
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