皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
体が温まり、お腹が満たされたせいか少しだけ瞼が重くなり、下がっていく。

アレン様が戻ってこないのに眠るなんて失礼すぎると考えていたところ、そっと額や頬に温かなものが触れる。

落ち着く感触に小さく息を吐いて目を開けたところ、整いすぎた面差しが至近距離に迫っていて目を見開く。


「……悪い、目を閉じていたから急に具合が悪くなったのかと……」


私の頬に触れていた大きな手を離して、バツが悪そうに告げるアレン様に、焦って首を横に振る。


「いいえ、その、大丈夫です。少しウトウトしてしまって……」


「そうか……よかった。あ、いや、休みかけていたのに悪い」


ホッと表情を緩めた途端、慌てたように謝る彼に再び首を横に振った。


「気にしないでください。お気遣い、ありがとうございます。体は平気です」


「キラナ、もし本当に起きていてつらくないなら、庭園に行こう」


「よろしいのですか?」


「ああ、むしろキラナの体のためには必要だろう。知らなかったとはいえ、配慮が足りず悪かった」


私から薬を取り上げたのは義母の件もあったが、プラント公爵家が主に監督する研究機関で正式に成分を検証するためだという。

メリハ族がこっそり薬と称して毒物、魔力増幅薬などは作っているのではと疑う貴族たちに証明し、疑いを払拭するためと薬の効能研究協力のためだったらしい。

アレン様との婚姻が内々に決まり、グリナダ王国に縁談の断りを伝えた頃から、そのような噂が広まっていたそうだ。
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