皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「事態収拾のため事を急ぎすぎたせいで傷つけてしまった。すべて俺の責任だ」


思いがけない誘いと再びの謝罪に急いで反論する。


「謝らないでください。お話ししていなかった私が悪いのです。アレン様は私を看病して心配してくださった、もう十分です。お庭に行けるのはとても嬉しいです、すぐ準備を……」


唇を噛みしめ葛藤している様子の彼に笑顔を向けつつ、半身をしっかり起こしかけた途端、私の体に温かなブランケットが巻きつけられる。

こぼれ落ちた綺麗な黒髪が頬を掠めたのに気を取られている間に長い腕が背中にまわる。

すぐに膝裏にも腕が差し込まれて視界がぐんと高くなる。


「あ、アレン様、あの」


「気分は悪くないか?」


「平気です。違います、おろしてください」


「目が覚めたばかりで体調も戻りきっていない。歩かせるのは心配だから抱えさせて」


横抱きにしたまま、至近距離で希われ返答に窮する。


「ご負担に、なりませんか?」


なんとか口にした質問に、口角を上げたアレン様が答える。


「まったく。むしろ腕の中にいてくれるほうが安心できる。元々軽かったが今のキラナは軽すぎるから心配だ。落ちないようにしっかり掴まっていて」 


甘く優しい言葉を真顔で伝えられ、体が一気に熱を持ち、鼓動が速いリズムを刻む。

近づきがたい人だったはずなのに、迷惑をかけてばかりで申し訳ないのに、傍にいられる現状に心が甘く疼く。

コントロールできない体と心の変化に戸惑う。


「ありがとう、ございます」
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