皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「キラナ?」


「あ、あの……失礼を承知で伺いたいのですが……」


この期に及んで尋ねていいのか逡巡する。

するとアレン様がそっと私の指先を自身のものにそっと絡ませた。


「なに?」


優しく促すような声に、覚悟を決めて問いかける。


「アレン様は……私の髪や目の色が苦手、ですよね?」 


「いや、綺麗だしむしろ好きだが?」


私の質問に数回瞬きを繰り返した彼は、首を傾げながら不思議そうに答えてくれた。

躊躇いのない返答に面喰らう。


「でも、ヴェールをいつも外さないようにと……」


「違う、否定的な意味じゃなく、以前話した義母の件もあって目立つのを避けたかったから。キラナの光に反射して輝く髪も、色の違う目も、今の目もとても綺麗だと心から思っている。なにより自分の大切な人が自分の色を纏ってくれるなんて、幸せでしかない」


真剣な表情で説明された内容に驚くと同時に恥ずかしさと嬉しさがこみ上げ、どう反応してよいか戸惑う。


「もしかして俺がキラナの色を嫌っていると思っていた?」


「も、申し訳ございません」


「謝らなくていい。きちんと伝えていなかった俺が悪い。キラナの髪も目も全部俺のお気に入りだ……可愛くて、ずっと触れていたいくらいに」


恐らく真っ赤になっている頬を長い指がそっと掠め、そのまま耳のすぐ下の髪を弄ぶように梳く。

優しくも甘い仕草にますます頬に熱が帯びる。
< 115 / 152 >

この作品をシェア

pagetop