皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
皇都に戻っても、彼女との会話がふとした瞬間に頭に浮かぶ。

前団長から彼女は銀髪に琥珀色の目だと聞き、何度も姿を想像していた。

ひとりの女性についてこれほど考えた経験はなく、どうして気になるのかわからなかった。


そして――答えを知った。

尊敬する師との別れとともに。


「――結婚おめでとう、アレン」


「あれ、お前ひとりか? キラナ嬢は?」


ミクス殿下の祝福に礼を返し、ブライアンの質問は無視する。


「結婚式当日に呼び出すのはやめていただきたいのですが、殿下」


「意地悪で呼んだわけではないよ。至急耳に入れておくべき情報があったんだ」


「そうそう、婚姻の噂を聞きつけたタルバ侯爵家がキラナ嬢の保護を言い出した。自分の孫がメリハ族と知って利用する気満々だ。最終的に、懇意にしている金回りのよい貴族に嫁がせるつもりだろうな」


ブライアンの情報に怒りで魔力があふれ出す。


「落ち着け、今日キラナ嬢が正式に婚姻したのをタルバ侯爵家はまだ知らない。婚約無効を訴えてきたらすでに婚姻が成立していると言ってやればいい。婚姻をできるだけ急いで正解だったな」


「そうだな、グリナダ王国からも申告があったらしい。アレンの言うとおり事前にキラナ嬢の身の上をすべて長老大司祭に説明したのが幸いだった。申告は婚姻中断理由にならないと判断してくださったようだ」


ミクス殿下の言葉に肝が冷えた。

念のためと手回しした事柄が役に立ったのは幸いだった。

やはり気が抜けない。
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