皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
6.不穏なお茶会
「おはよう、キラナ」


低く穏やかな声で名前を呼ばれた。

重い瞼を僅かに持ち上げれば、アレン様が至近距離から私を覗き込んでいる。

驚いて目を見開く私に優しく微笑む。


「起こして悪い。陛下の誕生式典関連のためしばらく遅くなる。俺の帰りを待たずに先に休むように」


「お、おはようございます。申し訳ございません、お見送りを……!」


「大丈夫、まだ早い。もう少し横になっていて」


そう言って、魔術騎士団の制服を着たアレン様が少し屈み、私の頬を長い指でそっと撫でる。

そのまま顎を掬い上げ、私の唇に自身のものを重ねる。

ゆっくり瞼を閉じれば、角度を変えて甘いキスが繰り返される。

さらに私の下唇を甘噛みし、魔力をゆっくり流し込む。


「今日も俺の色を纏ってくれてありがとう」


唇を離したアレン様が私の髪を軽く梳いて、告げる。

心底嬉しそうに口にする姿に、今日も私の鼓動は落ち着かない。

初夜以来、日課のように繰り返される朝の口づけには今も慣れない。

魔力が薄れてきたらと最初の頃こそ話していたはずなのに、アレン様は毎日魔力を贈ってくださる。
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