皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「おふたりの馴れそめを伺いたいわ、ほら、私はまだ未婚だから」


首を傾げて尋ねる王女を、頬に手を当てた義母がため息まじりに答える。


「馴れそめもなにもないわね、運命の伴侶だから選ばれただけ。羨ましいわ、メリハ族の直系というだけでなにもかも優遇されるのですもの」


「まあ、おば様ったら。キラナ様に失礼よ」


「でもアレンはプラント公爵令嬢との婚約話が本決まりになりそうだったのよ。元はと言えば、そのせいで王女様との縁談が破談になったのだから」


「我が国でも四大公爵家はとても有名なの。おふたりは幼馴染みでお互いをとても大切に想い合われて、関係を築いてこられたのでしょう?」


目を細め、私にチラリと視線を移した王女が義母に質問する。


「ええ、ふたりの仲睦まじさ、親密さは社交界でも評判だったのよ」


「あら、それなら私に勝ち目はまったくなかったのですね、残念だわ。アレン様は魔術騎士団長としても優秀で、とても素敵な方ですから」


王女が眉を下げ、大げさに肩をすくめる。 


「本当に……とんでもない横やりが入って驚いたの。あまりの展開とアレンの変わりようになにか薬や魔術が使われたのではと思って、調べるよう夫に相談したのよ」


義母は綺麗に手入れした指先でトントンとテーブルを軽く叩く。
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