皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
私の額に口づけながら、ささやくように教えてくれる。


「ごめん、なさい……気をつけます」


「俺の妻はキラナだけだと覚えていてほしい」


額から移動した唇が私の唇に再び重なる。

どうやら私の体力回復のため、魔力を送ってくれたようだ。

重い体が少し楽になる。

彼の唇がそっと離れ、自然と閉じていた瞼を開けば、綺麗な紫色の目が私を覗き込む。


「このままずっと俺の腕の中にいてくれたらいいのにな」


直接的な物言いと甘さの滲む眼差しに胸が詰まる。

速まっていく鼓動と胸の奥底からあふれ出す恋心をもう制御できない。


「私も、傍にずっといたい……」


するりとこぼれた我がままが、隠していた本音を暴く。


「あなたが……好き」


心を占拠していた膨れあがった想いが、一気に彼へと向かう。

大きすぎる感情に胸の奥が沸騰したように熱くなり、苦しさに視界が滲んでいく。

私は政略結婚の相手なだけ。

彼の恋を引き裂いたかもしれないのに。

泣いてはダメ、困らせてしまう。
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