皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
咄嗟に意識をそらすため唇を噛みしめる。

すると先ほどとはまったく違う激しさで唇が塞がれた。

長く、何度も角度を変えて続けられる口づけに対処できず、思わず瞼を閉じれば頬をひと筋の涙が伝っていく。


「俺は、キラナを愛している。もう、ずっと」


唇を離した彼が至近距離で告げる。

思わず目を見開けば、逆に驚いたように見返される。


「もしや……伝わっていなかったか?」


「いえ、その、大切にしてくださっているのは知っていました、けれど」


焦って、詰まりながらなんとか返答する。

頬が熱くてたまらない。


「悪い……言われてみれば、俺はきちんと想いを伝えていなかったな。誰よりもキラナを愛しく想っている」


真摯な告白に心が大きく揺さぶられ、言葉にならない喜びが体中が駆け巡る。

現実とは思えない幸福に涙があふれ出す。


「私で、いいのですか? 本当に? イスズ様は……」


「イスズ? 彼女はただの幼馴染みだ。俺はキラナだけを求めている。ずっと一緒にいてくれないか」


甘い懇願に胸がいっぱいになる。

伝えたい気持ちも事柄も、ほかにたくさんあるはずなのに、なにひとつ言葉にできない。

こらえきれない想いを抱えたまま何度もうなずく私を、彼が眦を下げて見つめる。


「……やっと伝わった。もう絶対に離さない。好きだ、キラナ」


そっと触れ合わせた唇は涙の味がした。
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