皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
上品に微笑み、完璧な礼で挨拶と謝罪を告げる女性に驚く。

アレン様は周囲に誰も室内に入れないよう指示し、騎士団に私の護衛まで命じていたはずだ。


「イスズ・プラントと申します。トゥーイッラ魔術騎士団長には奥様にお会いする許可をいただいて参りましたので、ご心配には及びません」


「あ、あのはじめまして、キラナ・トゥーイッラと申します。このような格好で申し訳ございません」


まさか来客があるとは思っていなかったので、私は部屋着よりも少しかしこまったドレス姿だ。

初対面の高位貴族を迎える装いではない。

婚姻後は衆人の目に触れるとき以外はヴェールも使用していないので、結っていない髪も誤魔化しようがない。

慌てる私にプラント公爵令嬢は品よく首を横に振り、嬉しそうに目を細める。


「やっとお会いできて本当に嬉しいわ。お体は大丈夫? 大変なときにごめんなさいね、このタイミングじゃなきゃ絶対に会わせてもらえないと思って押し切って来たのよ」


よくわからない説明に困惑しているところ、メアリが慌てた様子で通信魔具を持ってきた。

どうやらアレン様から連絡らしい。

受け取るため手を伸ばせば、プラント公爵令嬢がイタズラっ子のように片目をつむり、通信魔具を手に取る。
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