皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「妹のこと、本当にありがとう。お礼を伝えるために会いたかったのに、アレンに邪魔されたの。キラナさんの体調はもちろん、引っ越しや環境の変化で負担が大きいのに、訪問者なんて気疲れするだろって。私にはそんな気遣い、出会ってから一度もなかったけど」


淡い金髪に緑色の目を少し細めて、申し訳なさそうにイスズ様が口にする。

整った容貌に儚げな印象が強い女性だが、どうやら豪胆な性格らしい。

アレン様とはお互いに遠慮なく意見を言い合う関係だという。


「アレンなんて、女性どころか他人にまったく興味がなかったの。現トゥーイッラ公爵夫人はアレンに無関心どころか邪魔者扱いで公爵家を我が物にすることにしか興味がなかったし、トゥーイッラ公爵は仕事第一の人だったから」


それでもアレン様は自身の立場を理解し、魔術や学業に邁進していたという。


「アレンは人を頼るとか甘える、寄り添いたいとか……誰かとともに人生を歩むなんて考えを微塵も持っていなかった。そんなアレンがね、キラナさんと出会って変わったの。砦で治療してくれた恩人捜しは騎士団でも有名だったのよ」


イスズ様は内緒よと人差し指を自身の口に当て、教えてくれた。
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