皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
私が皇都に移動した五年前、彼はひたすら私を求め、捜し、心配し続けていたという。

再会してからは一日も早く婚約、結婚したいとミクス皇太子殿下たちに訴えていたらしい。

さらに私が転居するまで屋敷を建て直す勢いで改装し、少しでも気に入るように願っていたという。

引っ越し後はどうやって距離を縮めるか悩んでいたそうだ。

私が薬の件で倒れた際は大変だったらしい。


「アレンを見ているとね、人ってこんなに誰かを好きになれて、これほど変われるのかって驚かされ、思い知らされる。自分もがんばろうって思えるのよ」


「あの、イスズ様とアレン様は……その……」


「婚約間近とかいう話でしょ? 変な噂をごめんなさいね。私たちはお互いに恋愛感情はないから、安心して。見知らぬ相手と政略結婚するくらいなら、信頼できる者同士で結婚したほうがいいだろうって親同士が勝手に盛り上がっていただけ」


ふたりともまったくその気はなかったが、成人後、持ち込まれる縁談の数々に辟易してこれ幸いと縁談よけに互いの了承の下、利用していたらしい。

アレン様との思い出話から現在に至るまでを、イスズ様は丁寧に説明してくれる。

傲慢さも取り繕うような態度もなく、逆に私の反応を気遣いながら話す姿には誠実さが滲んでいた。
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