皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
翌夕、戻った公爵家では屋敷中の皆が私の体調を心配しながらも帰宅を喜び、迎えてくれた。

皆の温かな優しさが嬉しくて胸が詰まり、滲んだ涙をアレン様が拭ってくれた。

私の体に負担のかからない胃に優しい食事を用意してくれた料理長に礼を告げ、食事を終えた後、アレン様とともに自室に引き上げた。

ギルハンからアレン様に報告があったため、私は一足先に入浴する。

入浴後はなぜか期待に満ちた目のケティとメアリによって、全身を丹念にマッサージされ気恥ずかしさが募る。

帰宅するまで意識しないようにしていた事柄が一気に押し寄せ、体温が上がっていく。

自室にひとりきりになり、ソファに座る。

気持ちを落ち着かせながら、ふと初夜の日を思い出した。

あの夜もこんな風にひとりで様々な想いを抱えていた。

だけど抱く想いはまったく違う。

ただ幸せと彼への想いに満たされている。

皇城を出る前に、トルン医師に改めて礼を兼ねた挨拶に向かった。

今も薬を届けており、義父母とは定期的に手紙も送り合っているため、近況は知らせているが、義父はいつになく私を心配していた。

アレン様の魔力を少量ずつわけてもらっているとはいえ、大量に治癒の力を消費するのは母同様命を縮めかねないし、痣や目の色の濃さからまだ私たちの関係が歩み始めたばかりで不安定なのもきっと見抜いているのだろう。
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