皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
やはりイスズ様はアレン様と関係を築きたかったのだろうか。

でも恋愛感情はお互いにないと言い切っていた。

あのときの態度は嘘を言っているようには見えなかったけれど、無理をしていたのだろうか。

小さな疑問が波のように重なって押し寄せる。

アレン様の態度や表情にはなにも変化はない。


「それに運命なら、迷わず素直に惹かれ合えるでしょう」


イスズ様の発言にハッとする。

イスズ様の想いにも心が不安に揺れたが、それ以上に放たれた言葉が胸に深く刺さった。


――運命だから惹かれ合った、選ばれた。

ずっと心の奥底で気になっていた事柄を指摘された気がした。

イスズ様にそんなつもりがないのも、深読みしすぎだってわかっている。

だけど考えずにはいられない。

アレン様と初めて顔を合わせたのは砦の治療時で、それまでなにか心を動かすような会話をした記憶も出来事もなかったし、イスズ様のように長い時間をともに過ごしてきたわけでもない。


それなのに。

魔力が触れ合い、私のメリハ族の力は、彼を運命の伴侶と認識した。

彼が私に惹かれ、想いを抱いてくれたのは、私が〝運命の伴侶〟だったからではないのだろうか。

保護対象とかそういうしがらみを除いて、好意を向けてくれるのも、運命の影響が大きいからじゃないのだろうか。
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