皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
私の運命の力が彼の心を引っ張り、結びつけた。

運命を認識し、一度は抗って逃げた私は向き合う時間があったし、少しずつ彼を知って惹かれた。

最終的に判断し、彼を愛したのは私の意思で運命に強制されたものじゃない。


でも彼は?


運命の強制力が働いたのではないと言い切れる?


彼がいなければ私が衰弱すると知っているから、アレン様は私を見捨てられない。

しかも国の命令も関わっている。


私が、彼を縛りつけている?


考えた瞬間、血の気が引いた。

言葉にできない不安が湧き上がり、指先が冷たくなる。

どうして、今まで考えなかったのだろう。

自分に精一杯でアレン様の立場を考えもしていなかった身勝手さが嫌になる。


「キラナ、どうした? 顔色が悪いが、具合が悪い?」


私の変化に気づいたアレン様が、慌てた様子で声をかける。

イスズ様にも心配され、首を横に振る。


「い、いいえ、平気です。少し、王女様との件を思い出しただけで」


口ごもりながら、なんとか下手な言い訳を口にする。


「王女は今、城内で監視下にある。キラナに下手な手出しはできないし、俺が守るから大丈夫。体調が優れない中、同席させて悪かった」


ふたりに気遣われて居たたまれなくなる。

必死に気持ちを落ち着け、笑顔を貼りつける。

ざわめく心を押さえつけ、イスズ様を見送ったが、迷いは消えなかった。
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