皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
今回の護送を聞いた際はいつも以上になぜか胸騒ぎがした。

魔獣はもちろん、グリナダ王国側の動きも警戒しなければならず、普段以上に神経を使う旅になる。

そのため私はトルン医師とトゥーイッラ公爵に同行許可を秘密裏に求めた。

反対されたが、私は治癒力も使えるし、魔力を減らしてもアレン様がいれば回復ができる。

なにより薬師として処置もできると必死に訴えた。

トルン医師の同行はすでに決まっているが、私については会議でも結論が出なかったらしい。

万が一負傷した騎士団員の回復要員として私の力は必要だが、危機にさらすのではと意見がわかれていたという。

結局私の最終意思を確認して決定することになり、ミクス皇太子殿下から内々に登城を促される手紙が届いた。

指定された日、アレン様の出勤後、急いで皇城へ馬車で向かった。

馬車の扉が開いた途端、渋面を浮かべたアレン様に出迎えられる。

どうやら今日に至るまでの経緯をミクス皇太子殿下から聞いたらしく、馬車を降りるやいなや、断わるよう言われた。

アレン様に同行していたプラント公爵令息とイスズ様に彼はなんとか宥め促され、ミクス皇太子殿下が待つ執務室へと向かう。

アレン様は終始不機嫌で魔力が多量に漏れ出ており、彼の怒りの大きさが窺えた。

まずは自分を差し置いて伴侶の同行話を勝手に進めた非難と私をみすみす危険にさらす批判、諸々を強い口調と視線で告げる。

久しぶりの凍てつくような視線に私も息をのむ。
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