皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「アレン様が心配してくださるお気持ちはとても嬉しいのですが、私もなにかお力になりたいのです……母のように大切な人の別れの報告をひとり受けたくありません」


私の不参加を強く求める彼に必死に訴える。


「気持ちはわかるが、今回は魔獣討伐ではない。そもそもキラナに万が一があれば俺は自分を許せない」


「私も同じ気持ちなのです」


いつになく頑固な私に、アレン様が困ったように眉尻を下げる。

厳しい表情が少しだけ緩んだ瞬間、ミクス皇太子殿下が口を挟む。


「私たちもキラナ嬢に無理強いしているわけではない。あくまでも彼女の意思を尊重している。それにイスズをはじめ、騎士団が王女はもちろんキラナ嬢の護衛につく」


「わかっています。でも妻を危険な場所に行かせたくないのは当然でしょう」


眉根を寄せる彼を安心させるように、そっと大きな手に触れる。


「アレン様がいつも私を守ってくださるように私にも守らせてください」


「……頼むから、無茶はしないで。それとこんな秘密はこれきりにしてほしい」


「約束します」


大きく首を縦に振る。

すると、彼は渋々了承してくれた。

ただし、しっかりトルン医師と自身の父に秘密裏に動いた抗議は行っていたらしい。
< 171 / 219 >

この作品をシェア

pagetop