皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
アレン様を愛している。

この感情に嘘偽りはなく、なにかに強制されたものではないと、これまでの日々をともに過ごしてきた今は、自信を持って言い切れる。

けれど本人の了承もなく、私の運命に巻き込んでいいはずがない。

きちんと向き合って正直に話したうえで、彼に選択を委ねるべきだ。


「キラナ、眠れない?」


甘くゆったり体を重ねた後、いつものように私を抱きしめてベッドに横になった彼が優しく尋ねる。

カーテンの隙間から漏れる僅かな月明かりが、端整な面立ちを優しく照らす。

見惚れるほど綺麗な姿に胸の奥が疼き、今さらながらに大きな恋心を思い知る。


「ごめんなさい、起こしましたか?」


「いや、違う。最近ずっとなにか思い詰めていないか? 体調が悪いなら……」


「体は大丈夫です。ただ……」


彼の腕の中で一度強く瞼を閉じる。

この旅が無事に終わって帰って来たら、そのときに話そう。

運命に巻き込んだ謝罪もきちんとしよう。

密かな決意を胸に口を開く。


「うん、なに?」


思いやりに満ちた声と目に甘えて、寄りかかりそうになる心を叱咤する。


「お話、したいことがあって……帰ってきたら聞いていただけますか?」


「それは今じゃダメなのか? 気になるんだが」


「はい、あの、無事に戻ってきた際に落ち着いてお話したいので」


「わかった。じゃあ今は聞かない。でもすべてが終わったらきちんと教えて」


彼の言葉にうなずき、さらに強く抱きしめられ、軋む胸を抱えて眠りについた。
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