皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
セレスタ帝国に引き返す際は再び危険に巻き込まれる可能性はあるが、早々魔獣の数は増えないはずだ。

引き渡し地点に到着し、アレン様がグリナダ王国騎士団長や責任者と挨拶を交わす。

グリナダ王国側も負傷者が多く、ひと目見るだけで疲弊しているのがわかった。

治療が追いつかないのか、傷の手当が不十分で顔色も悪い騎士が大勢いた。

思わずアレン様を見つめれば、眉根を寄せ、小さくため息を吐く。


「……キラナも疲弊しているし、グリナダ王国の狙いもわからない。非情かもしれないが治癒の力は使うな。薬の提供は認めるが深入りは禁止だ。あちらにも医師か薬師はいるはずだから預けるように」


私の思いを最大限汲んで譲歩してくれるアレン様に礼を告げ、手早く必要と思われる薬類を準備する。

アレン様はグリナダ王国騎士団長に医師と薬師の所在を尋ね、事情を説明する。

亡き母と同世代と思わしき女性薬師を紹介され、薬類を手渡し、使用方法を伝えた。

グリナダ王国側の負傷者はこちら側より多いうえ、薬が枯渇し困っていたそうでとても感謝された。

そのせいもあってか、両国間の少し緊迫した空気が緩んだ。

元々同盟国であり、いがみあっている敵国でもない。

グリナダ王国騎士団長からは直々に礼を伝えられ、頭を下げられた。
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