皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
「……我が国の非礼を本当に申し訳ない。それなのに親切にしていただき……メリハ族の姫君、この恩は絶対に忘れない。騎士の名誉に賭けて王に伝えよう」


グリナダ王国騎士団長の言葉にほかの騎士たちも一斉に頭を下げ、慌ててしまう。

私の存在はグリナダ王国でよく知られているらしく、彼らも私の外見ですぐにわかったそうだ。

婚姻後、公爵邸以外でも私は髪色などを変える魔術はほぼ使っていない。

騎士たちの態度とは対照的に、相変わらず不機嫌な王女はグリナダ王国の粗末な迎えに早速不平不満をこぼしていた。

アレン様が王女になびかなかった鬱憤もあるのだろう。

無事に引き渡しが終わり、両国騎士団が挨拶を交わす。

最後にアレン様を含む数名の騎士が引き渡し地点から離れ、私たちの待つ場所へ向かってくるとき、アレン様の背後でなにかが光った気がした。

この場所は踊り場のように楕円形の広場のようになっているが、片側が崖で、もう一方は鬱蒼とした木々が生い茂っている。

道幅も狭く、崖のある場所を抜ければ傾斜のある山道がしばらく続く。

なにかに反射したのかと目をこらせば、その光はまるで生きているようにどんどん彼に迫っていた。

光に気づいた者で一番近い場所にいるのは私だ。

声を出すより速く体が動いていた。

必死に手を伸ばし、彼を光の進路から樹木側へ突き飛ばす。

その瞬間、光の塊が私の体を直撃する。

重い衝撃に体中が痛み、目の前が真っ黒に染まった気がした。

同時に体が空中に投げ出されるのを感じた。
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