皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
思いがけない情報に驚く私に、魔湖の主はさらに話を続ける。


『生前ひどい扱いを受けたり、運命の相手に無理やり引き離されたりした魂は悲しみや苦しみを多く抱えています。負の感情はさらなる負の感情を呼び寄せてしまいます。魔湖の底は別の世界、魔獣やほかの生物がいる世界につながっているのです』


魔獣のいる世界の出入り口は本来とても狭く強固で、安易に行き来できるものではないそうだ。

ただ魔獣は負の感情を糧にする傾向が強いため、魔湖に負の感情が増えれば出入り口が緩み、力を得て、魔湖の面積とともに出入り口を広げてしまうらしい。

結果、魔湖を通じて魔獣が行き交い、地上に融合して増殖して魔獣の急激な増加につながっていたそうだ。

こればかりは魔湖の力だけでは抑えきれないらしい。


『メリハ族は治癒の力とともに、この世界の人にとって脅威になる魔獣を清浄な魂によって封じ込める力も持っています。幸せな、満たされた人生を終えてここへやって来た魂が魔獣の出入り口をせき止めているのです』


「どうしてメリハ族の魂はそんな力を?」


『メリハ姫の伴侶は精霊の王子だったでしょう? 精霊は森を、大切な人を守る力を持つから、その名残でしょうね』


メリハ族の数の激減と魔獣の増加に関連があるなんて思ってもみなかった。

魔獣が魔湖周辺に多い理由がわかった。
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