皇命婚と告げた運命の伴侶に恋情を贈る
『メリハ族の数が急激に増えるのは難しくとも、今を生きるメリハ族の民がこれ以上虐げられないよう、現状を伝えたくてあなたをここに呼びました。ウキヌの森の薬草たちに協力してもらおうかと考えていたら、落下してくるのだから驚きましたよ』


「申し訳ございません、ありがとうございます」


『いいえ、早い機会に話せてよかった。もうひとつ、メリハ族を虐げているのはグリナダ王国の王族です。恐らくあなたの運命の伴侶を狙ったのはその関係者でしょう。虐げている理由まではわかりませんが、これ以上悲しい被害者が出ないよう助けてほしいのです』


「でも、私にできるでしょうか?」


これ以上魔獣を増やし、悲しい犠牲者を出したくない。

もちろん同族の仲間も助けたい。

でも私にそんな大きな力があるとは思えない。


『大丈夫、運命の伴侶と力を合わせてください。あなたの伴侶はあなたをとても大切に想い、運命の伴侶となったことで使いこなせなかった力をうまくコントロールしています』


魔湖の主の言葉に心が陰る。

そんな私の感情の機微に気づいたのか、魔湖の主は優しく尋ねる。


『なにか気になりますか?』


「……私は、アレン様にとって本当に運命なのでしょうか? 私が強制的に運命に位置づけて、彼が想う人を選び、結ばれるはずの人生を奪ったのではないでしょうか。痣さえ出なければ、彼は私に縛られなかったはずなのに。相手の方の人生だって……」
< 182 / 219 >

この作品をシェア

pagetop